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【論理学入門vol.2】真理値表と論理和・論理積について

これから、数学における「真理値表」と「論理和」「論理積」について解説していきます。

ここから少し、数学っぽくなってきます。

目次

真理値表(しんりちひょう)

まず登場するのが「真理値表」
これは、命題の真(True/1)と偽(False/0)のすべての組み合わせを一覧にした表です。

たとえば、何か命題が1つあるとして、それをPと表記します。

命題は英語でPropositionなので、その頭文字Pを選んでます

すると、命題は真か偽かのどちらかになります。
それを真理値表に記載すると、このようになります。

Pの真理値表

このような表が真理値表と言います。

これは命題が1つだけなのでシンプルですが、命題が2つ以上を考えるほどに、この真理値表の威力が実感できていきます。

例えば、命題Pと命題Qが存在するとします。

すると、真理値表はこのようになります。

PQ

これが、PとQのすべての真理値パターンです。

上から順番に、「Pが真、Qが真」「Pが真、Qが偽」「Pが偽、Qが真」「Pが偽、Qが偽」の4パターンがありますね。

そして、この命題PとQの関係性を表すのが、論理和(または)、論理積(かつ)です。

この論理的な関係を追加していくことで、複雑な命題の構造を整理することができるのです。

これから、2つの論理の関係性を解説していきます。

論理和(ろんりわ)

命題P、Qに対して、新しい命題「P ∨Q」を取り入れます。

これを論理和と言います。

論理和は、英語で “OR”、記号は「∨」を使います。

読み方は「PまたはQ」。
「Pが真である」または「Qが真である」とき、命題「P ∨Q」が真になるというルールです。

命題「P ∨Q」の真理値表

PQP ∨ Q

どちらか一方でも真なら、全体が真になります。

論理和の具体例

たとえば、こんな命題を考えてみましょう。(厳密じゃないけど許して)

  • P:「今日は晴れだ」
  • Q:「洗濯をする」

命題「P ∨ Q」は「今日は晴れ または 洗濯をする」。
どちらか一方でも成り立てば、全体が真になるわけです。

つまり、仮に、今日は晴れていても、洗濯をしなかった場合は真となりますし、今日は雨でも、洗濯したならこれも真になります。

ただし、今日は雨で洗濯しなかった場合は偽の命題となります。

論理積(ろんりせき)とは?

命題P、Qに対して、新しい命題「P ∧Q」を取り入れます。

これを論理積と言います。

英語では “ AND”。
記号は「∧」を使います。

読み方は「PかつQ」。
「Pが真であり、Qも真である」場合に命題「P ∧Q」は真になります。

命題「P ∧Q」の真理値表

PQP ∧ Q

両方が真のときだけ真。論理積は論理和に比べて“厳しめの条件”ですね。

論理積の具体例

さきほどと同じように例を見てみましょう。

  • P:「今日は晴れだ」
  • Q:「洗濯をする」

命題「P ∧ Q」は「今日は晴れ かつ 洗濯をする」。
このとき、晴れていなかったり、洗濯をしていなければ偽となります。

論理和と論理積の違いをまとめよう

種類記号読み方成り立つ条件
論理和またはどちらかが真でOK
論理積かつ両方とも真のときだけ真

イメージで言うと、

  • 論理和(∨):ゆるい。「どっちかでOK」
  • 論理積(∧):きびしい。「両方満たさないとダメ」

という感じです。

なぜ真理値表を使うのか?

ここまで読むと「表にする意味ある?」と思うかもしれません。
でも、この真理値表こそが、数学の論理構造を整理する最強ツールなんです。

たとえば、

  • 命題どうしの関係(含意・同値)を正確に検証できる
  • 証明で“抜け”を防ぐことができる
  • コンピュータの回路設計やプログラムの条件分岐にも使われる

など、応用範囲はめちゃくちゃ広いです。

余談ですが、不等号「X≦Y」は、「X <Y」または「X=Y」の論理和です。

一方「X <Y」は、「X≦Y」かつ「X≠Y」の論理積です。

まとめ

用語記号意味成り立つ条件
真理値表特になし命題の真偽を整理する表論理構造の確認に使う
論理和「PまたはQ」どちらかが真なら真
論理積「PかつQ」両方が真のときだけ真

真理値表・論理和・論理積がわかると、
数学でよく登場する「否定」や「含意(→)」、また「同値(↔)」が一気に理解しやすくなります。

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この記事を書いた人

社会人になって、本格的に大学数学を始め、どハマりして3年が経ちました。現在も数学者の方に指導いただきながら、大学数学を掘り進めています。これまで実数論、論理学、微分積分、線形代数などを学習しました。このサイトでは、独学で大学数学を学ばれる方に向けて道標になるよう、なるべくわかりやすく解説した記事を心がけています。

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