これから、数学における論理学を解説していきます。
この論理学、実は大学数学の土台そのもので、めちゃくちゃ重要です。
社会人で独学で大学数学を始めた私は、これを知らなかったため、けっこう苦労しました笑
「誰か最初に教えてくれー!」って、心の底から思いましたね。笑
なので、独学で大学数学を学習する方は、絶対に知って欲しい概念となります。
この記事では、論理学の中でも特に重要な命題・真理値・述語について、できるだけわかりやすく説明していきます。
論理学とは
数学における論理学とは、「正しい推論のルール」を扱う学問です。
たとえば、
「AがBであるならば、BはCである」
「したがって、AはCである」
こうした“筋道の通った考え方”を形式的に扱うのが、論理学の役割です。
つまり、論理学は数学の言語の文法のようなもの。
数学の証明などは、すべてこの論理学に則って記述されているのですね。
そこで論理学に重要なキーワードを解説していきます。
重要な用語の定義
命題(めいだい)と真理値(しんりち)
命題(めいだい)と真理値(しんりち)の定義をそれぞれ紹介します。
真か偽かを判断できる文や式
命題が真(True/1)か偽(false/0)であるかという情報
数学はすべて真か偽かを判断する学問です。
そのため、まずは真偽を判断できる文や式が存在し、それに対して、真偽を判定することが重要です。
逆をいえば、論理学においては、真か偽のどちらか一方に決まることが必要不可欠で、「どっちでもない」というのは許されません。
そして、真であることを「True」や「1」、偽であることを「false」や「0」と表現したりします。
真であり、偽であるは厳密には「矛盾」と言います。これはまた追って解説します。
数学では証明によって、真であるものが定理となって使える道具になっていくのです。
具体例をご紹介します。
命題(めいだい)と真理値(しんりち)の例
命題の例は以下の通りです。
- 「1+1=2」→真の命題
- 「2は偶数である」 → 真の命題
- 「3は偶数である」 → 偽の命題
「1+1=2」、「2は偶数である」 、「3は偶数である」 はすべて真か偽かを判断できる文になっていますね。
なので、命題となります。
そして、それぞれ真偽が定まっています。
逆に、命題じゃないものというのは、このような感じです。
- 「1+1」
- 今日はいい天気だ
- 今日は暑い
「1+1」はそもそも真偽の判断ができません。イメージするなら、「犬」とか「うんこ」と突然名詞を言われた感じなので、「だから何?」って感じです。
「1+1=3」と、=などがあれば、これは真偽を判断する命題となります。(そしてこれは偽です)
「今日はいい天気だ」「今日は暑い」なども、いい天気、や暑い、は主観に依存するので、真偽の判断ができません。
例えば、雲ひとつない晴天で自分は「良い天気だ」と思っても、太陽の光が苦手なヴァンパイアからすれば「うわ、嫌な天気だー、引きこもろう」となるわけです。
つまり、
- 「1+1」
- 今日はいい天気だ
- 今日は暑い
これらは命題ではないということなのですね。
↑これらの例はあくまで一事例に過ぎないので、ぜひみなさんオリジナルの事例なんかも考えてみてくださいね。
述語(じゅつご)
変数を含んでいて、その変数の値が決まれば、真か偽かを判断できる文や式
述語の特徴は変数を含むことです。
例えば、以下の文章を見てみましょう。
Xを自然数とする。
Xは偶数である
この文の真偽は、Xの値で変わりますよね。
X=2→真
X=3→偽
X=100→真
X=777→偽
という感じで、変数の中に入る数字次第で真偽が決まるのが述語なのですね。
術後の例は他にも、
- 「Xは素数である」
- 「YはXより大きい」
- 「Nは3の倍数である」
- 「X+1=3」
などいくらでもあります。
ちなみに、学生時代に学んだ「方程式 X+1=3を解け」という問題は、言い換えると「述語 X+1=3 が真となるようなXの値を求めよ」になります。
まとめ
今回の内容をまとめます。
| 用語 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 命題 | 真か偽かが決まる文 | 「2は偶数である」 |
| 真理値 | 命題の真・偽の値 | 真 or 偽 |
| 述語 | 変数によって真偽が変わる文 | 「xは偶数である」 |
論理学はこのあと、「命題の結合」「否定・含意」「全称・存在」など、どんどん広がっていきます。
まずは、この命題・真理値・述語の3つをしっかり押さえるだけで、大学数学の理解がグッと深まります!
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